成年後見制度とは

成年後見制度とは、判断能力が低下した認知症の高齢者らの暮らしと財産を守るための仕組みです。成年後見制度は2000年4月に始まりました。介護保険と車の両輪で超高齢社会を支える仕組みです。認知症や知的障害などで判断能力が十分ではない人に、預貯金などの財産管理、福祉サービス利用、施設入所契約などの支援をします。判断能力の度合いに応じて、後見、保佐、補助という3つの種類があります。制度利用の申し立てができるのは、本人と配偶者、4親等内の親族らです。判断能力があるうちに、将来の後見人を決めておく任意後見もあります。
支援の緊急性が高い、身寄りのない認知症の人らの安全網として、制度は一定の役割を果たしています。しかし、500万人を超すとされる認知症高齢者に対し、成年後見の利用は、約21万人と伸び悩んでいます。介護保険のように広く一般に活用されているとは言えません。財産管理に偏りがちな運用を見直し、利用者がメリットを感じられる制度に改善することや、地域で関係機関が連携して利用を支援すること、不正防止徹底などが必要になります。

(2019年2月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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