所得格差の減少

厚生労働省の2017年所得再分配調査によれば、所得格差の指数であるジニ係数が微減し、36年ぶりに所得格差の縮小が確認されました。ジニ係数とは、社会の所得格差の程度を表す指数です。0から1の値で示され、0は完全に格差がない平等な状態で、格差が大きくなるほど1に近づきます。高齢化が進んだ社会ほど高くなる傾向にあります。
社会保険料や税金を支払う前の所得にあたる当初所得をみると、ジニ係数は前回比0.0110ポイント減の0.5594でした。当初所得のジニ係数は1984年から毎回増加していました。しかし、経済の好転で雇用情勢が回復するなどし、低所得者の所得が上がったため、格差が縮小しました。
2017年における1世帯当たりの当初所得の平均は429万2,000円で、税金や社会保険料を差し引き、年金や医療などの社会保障給付を加えた再配分所得の平均は499万9,000円でした。高齢者世帯に限った平均をみると、当初所得は100万4,000円で、年金などを加えた後の再配分所得は365万4,000円でした。

(2019年9月7日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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