夏風邪ウイルスであるコクサッキーウイルスA‐6、A‐10やエンテロウイルスなどの原因でおこり、発熱や口内炎、手や足の水疱性発疹が主症状です。乳幼児を中心に感染し、今年全国的に大流行しています。国立感染症研究所によれば、全国約3千カ所の小児科で手足口病と診断された患者数は、7月10~16日の1週間で約2万6千人に達しています。前年同時期の約11倍です。1医療機関当たりの患者数も8.27人で、警報水準の5人を上回っています。
現在流行中のウイルスは爪が浮き上がり、はがれ落ちる症状が出やすいのが特徴です。このところ2年おきに流行しており、ごくまれに髄膜炎や脳炎など重症化する場合もあります。一度感染すると免疫ができて再感染しにくくなります。免疫を持たない1歳以下を中心に流行っています。手洗いやうがい、他人の使用済みタオルは使わないなど、予防を徹底することが大切です。
(2017年7月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)