抗がん剤による脱毛

 抗がん剤による脱毛は、患者にとって最も辛い副作用の1つです。抗がん剤が全て脱毛を起こすとは限りません。使う薬が脱毛しやすいを医師に早めに聞くことが大切です。全国の乳がん患者に対するアンケート調査によれば、抗がん剤で99.8%が脱毛を経験し、60%が脱毛を非常に苦痛と答えています。
 治療の時に機械で頭皮を冷やし、脱毛を抑えようという研究が進んでいます。機械につながった専用キャップをかぶり、抗がん剤を始める30分前から終了の90分後まで、-4~5度の冷却液で頭皮を冷やし続けます。英国製のこの機械を使った効果については、使った95人のほぼ半数が50%までの脱毛に抑えられ、ウィッグを必要としない成功と評価されました。重い副作用はなく、機械は米国で脱毛予防のための機器として承認されています。

 

(2017年11月22日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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