指定国立大学法人とは

基盤的な運営費として国立大学に国から配分される運営費交付金が年々削減される中、国立大学に課されていた様々な規制を緩和し、民間的な手法で外部からの収入を増やす必要性に迫られています。政府にも働きかけた結果、不動産などの資産を自由に運用できる指定国立大学法人制度ができました。指定国立大学法人とは、世界最高水準の研究開発を目指すために文部科学大臣が指定し、一部の規制を緩和した国立大学のことをいいます。現在、東京大学、京都大学、東北大学、東京工業大学、名古屋大学の5大学が指定されています。自らの研究成果を活用するためのコンサルティング、英語教育や研修などを担う人材育成プログラムなどの業種に限り、大学本体が出資する子会社を作れるのが最大の特徴です。優れた研究者を雇うため高い給与を支払うことをより自由に認めたり、文部科学大臣の認可なく資産を運用できたりします。
東京大学は、2004年の国立大学法人化の恩恵を順調に受けてきました。2016年度までの12年間で、国からの運営交付金は114億6,500万円減少しましたが、競争的資金や寄付金、産学連携による民間企業からの研究費の増加により、総収入は約436億円増えています。指定国立大学法人になったことで、外部資金獲得はさらに弾みがつきそうです。

(吉村 やすのり)

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