新しいがん免疫薬の開発

免疫チェックポイント阻害剤は、従来の抗がん剤が効かない患者も治せる薬として注目を集めています。悪性黒色腫や肺がん、胃がんの一種の治療などに利用されていますが、作るのに手間がかかるので高価であり、薬代は年間1,000万円を超えてしまいます。千葉県がんセンター研究所や東北大学は、作りやすい小さな化合物で同じ働きをするものを開発しています。バイオ医薬の高い薬効と、従来型の安い製造コストの双方を兼ね備えた中分子医薬というものです。
これらの小さな化合物の新薬候補は、抗体に比べて製造しやすく低コストになります。これらの中から免疫チェックポイント阻害剤を代替できる薬が実現できれば、薬代を10分の1に抑えられる可能性があります。がんは日本人の半数がかかる病気です。高齢化にともない、国の医療費の増大が予想されており、高額薬を代替できる安価な治療法が求められています。

 

(2018年7月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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