新型コロナウイルスの再感染

新型コロナウイルス感染症から回復した患者が、しばらくして再び感染したとの報告が各国で相次いでいます。一般に最初の感染で免疫がつくと、抗体などが次の感染を防ぐとされています。しかし新型コロナは、抗体ができにくいか、回復後に抗体価が減少するとの指摘もあります。これまでにも回復後にPCR検査で再び陽性になる例はありましたが、体内のウイルスの残骸を検出していたとされていました。ベルギーとオランダで新型コロナの再感染例においては、ウイルスの遺伝情報から、回復後に再感染したことが明らかになっています。
新型コロナでは、感染後に抗体があまりできなかったり、持続しなかったりする場合があります。再感染は、抗体が持続しないことが主な原因と考えられます。また、ウイルスのたんぱく質の形が変わると、それまでの免疫では対応できず再感染して発症しやすくなります。このような再感染の事例は、ワクチン戦略にも大きな影響を与えます。ワクチンが開発されても、重症化を防ぐことはできても、効果の持続を期待することは難しいかもしれません。

(2020年9月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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