新型コロナウイルスワクチンの有料化

現在、コロナワクチンは予防接種法上の特例臨時接種に位置付けられており、国がワクチンを製薬会社から買い上げ接種にかかる費用も負担しています。財務省は、公費負担を早期に見直すべきだとの立場を示しています。コロナワクチンの接種費用について特例的な措置は、廃止すべきだと提起しています。接種1回の費用は約9,600円で、2021年度の接種回数は約2億5,700万回で、国は2兆3,396億円を投じています。
来春以降の選択肢の一つが、インフルエンザワクチンと同様に予防接種法上の定期接種に移行する案です。インフルエンザワクチンは、原則として重症化しやすい65歳以上らを定期接種の対象とし、実費を一部払うことで接種を受けられます。無料で提供する自治体もあります。64歳以下など対象以外の人が希望する場合、通常は自己負担が発生します。
新型コロナの感染は収束したわけではないので、自己負担の導入には慎重論も予想されます。従来ワクチンを用いた6カ月~4歳の乳幼児接種は、10月下旬に始まったばかりです。3月まででは保護者への周知期間が短く、唐突感も否めません。コロナが同法上の新型インフルエンザ等感染症から、より低リスクな5類相当に移行させることになれば、ワクチンの有料化を求める意見が強まる可能性があります。

(2022年12月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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