新型コロナウイルス感染による細胞老化

新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスが消えてからも倦怠感や頭痛、脱毛などの後遺症が起こることが少なくありません。大阪大学の研究グループは、感染により細胞の老化が促され、老化した細胞が周囲に炎症を引き起こすことを動物実験で突き止めました。この炎症が後遺症の一因となっている可能性を示しています。
ヒトの培養細胞などに新型コロナウイルスを感染させたところ、多くの感染細胞は数日以内に死んでウイルスも消えました。しかし、感染細胞は死ぬ前に、周囲に細胞老化を促す物質を出していることがわかりました。周囲の老化した細胞は生き残り、炎症を起こす物質をまき散らしています。
さらにハムスターにウイルスを感染させて観察すると、ウイルスが消えた後も、肺の老化細胞から炎症を起こす物質が出続けていることが分かりました。重症の新型コロナ患者の肺でも老化細胞から炎症を起こす物質が出ていると確認しています。

(2022年1月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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