新型コロナウイルス感染症の肺後遺症

厚生労働省の研究班は、2020年9月~2021年5月に新型コロナウイルスに感染し入院した人の肺機能について調査しています。退院から3カ月以上経った512人について、肺活量や、肺で酸素を取り込む能力などについて調べています。肺活量では、健康な人の検査値の8割に届かない人が、人工呼吸器を使うほど重症だった人の26%にみられます。肺から酸素を取り込む肺拡散能でみると、健康な人の値の8割に届かない人が、重症だった人では52%に達しています。人工呼吸器はつけていないが、酸素投与があった人では27%、酸素投与がなかった人でも17%に上っています。
重症の人の77%では、3カ月後に筋力低下、50%で息苦しさの自覚症状があり、重症度と関係あるようです。しかし、重症でなくても、酸素投与があった人の30%、なかった人でも17%で息苦しさの自覚症状がありました。
CT(コンピューター断層撮影)の肺画像を入院時と3カ月後で比べると、3カ月後でも54%で、すりガラス状の影や炎症による変化などがみられています。

(2021年9月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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