新型コロナ禍での出生数減少

新型コロナウイルスの感染拡大が、各国で出生数の減少をもたらす恐れが出てきています。若者が雇用や収入への不安から結婚と出産に慎重になるためで、日米ではそれぞれ2021年の出生数が1割減ると予測されています。米ブルッキングス研究所は、新型コロナの影響により、2021年に米国で生まれる子どもの数が前年比30万~50万人減る可能性があるとの見方を示しています。米国の出生数は年370万人ほどで、1割ほど減少することになります。
深刻かつ長期に及ぶ不況により、出産を遅らせるのではなく、子どもの数を減らすカップルが増えると思われます。11年連続で人口が減る日本も、影響は免れそうにもありません。2021年の出生数が10%ほど減ると推計されています。2019年の出生数は86万人と、統計開始後初めて90万人を割り込んでいます。推計通りなら80万人の水準を保てないかもしれません。非正規雇用の休業と失業などの経済的な制約から、結婚と出産を避ける若者がしばらく増えるとされています。5月の婚姻数は3万2,544件で、前年の9万件超の3分の1の水準に落ち込み、その前の2018年5月と比べても3割以上減っています。
新型コロナによる雇用や収入への不安は世界に広がり、若年層を直撃しています。世界の18~29歳を対象とする国際労働機関の調査によれば、感染拡大後に働いていないと回答した人は17.1%にも達しており、働いている人でも労働時間は23%減り、収入減に直面しています。100年に1度の公衆衛生上の危機であり、この影響は今後数十年に及ぶとしています。途上国では、医療資源がコロナ対策に偏り、予防可能な病気で死亡する5歳未満の子どもの数は半年間で120万人増えるとされています。

(2020年8月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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