新型出生前診断(NIPT)の現状と問題点―Ⅰ

一般診療化報道についての私見
これまで、臨床研究として2013年4月から行われてきた新型出生前診断(NIPT)が、一般診療化されるとの報道がなされました。NIPTという新しい検査法を導入するにあたり、日本産科婦人科学会は多方面からの検討を踏まえた指針を示しています。これに基づき、日本医学会が認定した施設において、まずは臨床研究として実施されてきました。これまで5年間の臨床研究の成果をふまえ、多くのカップルの要望に答えるために、実施機関を増やすということであり、どのような医療機関でも検査を実施できるということではありません。
今後は臨床研究としてではなく、産科診療として実施することを意味します。今後どのような体制で実施していくのか、現在検討しているところです。いずれにしても、対象となる妊婦さんや実施機関に関する条件を全て外すべきではないと思います。専門的知識をもつ医師がいるとか、産婦人科と小児科が併設されているとか、遺伝カウンセリングの体制が整っているとか、いくつかの基準をクリアしないと認定を受けることができません。今後もそうした基準は必要になると思います。

(母子保健 2018年10月号)
(吉村 やすのり)

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