新型出生前診断(NIPT)の現状と問題点―Ⅶ

遺伝カウンセリングの実施
NIPTにおける遺伝カウンセリングは、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーにより、ほとんどのケースで1回あたり30分以上がかけられています。遺伝カウンセリングは、NIPT実施時と結果通知時の2回施行している施設が56%、NIPT実施前、実施時および結果通知時の3回施行している施設が36%、両者合わせて92%の施設で遺伝カウンセリングを複数回行なっています。
検査結果が陽性であった場合の遺伝カウンセリングの重要性は理解できると思いますが、検査結果が陰性であった場合は、あくまで3つの染色体疾患の可能性が低いだけで、胎児の健康に全く問題ないということではありません。実際、545の施設で、NIPT陰性例に先天性疾患を認める経験をしています。また陰性結果を踏まえたうえで、さらに新たな心配や不安などが出てくるかもしれません。したがって、NIPT検査後の遺伝カウンセリングはとても重要であるといえます。

(母子保健 2018年10月号)
(吉村 やすのり)

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