日本の製造業の落ち込み

日本企業は、コロナ禍にあって、インターネットも活用して企業活動の再開や消費喚起策を採ってきています。4~6月期の日米製造業企業の営業利益率比較では、日本企業の利益率が今でも低い上に、落ち込みがアメリカ企業よりも大きくなっています。アメリカの方が、日本よりも外出規制を早く開始・終了したことが関係しています。その分、企業収益への影響は早めに吸収されています。また、アメリカには巨大で高収益のIT製造業企業があって、製造業全体の利益率を押し上げています。
そもそも前年並みの業績と利益を確保するといった現状維持的な日本企業の経営方針では、欧米や中国の企業に太刀打ちできません。日米欧主要国の2020年7~9月期GDPで、民間設備投資が前期比減少しているのは日本だけで、これではこれからの時代にまともに対応することはできません。コロナ禍の時代にあって鍵となるのは、感染予防策の徹底をしつつも、いかにヒト・モノ・カネをより活発に動かすかにあります。コロナ禍においても、いかにイノベーションを起こし、競争力を高めるかこそが最も大切です。

(Wedge January 2021)
(吉村 やすのり)

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