日本の雇用形態の変化

 日本型雇用は、メンバーシップ型と呼ばれ、新卒一括採用や年功賃金、終身雇用が特徴で、勤務地や職種、残業などは会社の指示に従います。欧米はジョブ型と呼ばれ、大学の専門やインターンシップなどで即戦力かどうかを判断されます。しかし、ポストが空かないと採用されないので、新卒の就職率は低くなります。欧米では、社歴を重ねても給料が自動的に増えることはありません。
 日本型雇用の限界を打破するには、欧米型とのハイブリッドに改め、多様な働き方を認める必要があります。日本独特の雇用システムは3つの点で困難に直面しています。1つはグローバル化の対応です。多くの外国人が企業内に登用されるようになり、個人のパフォーマンスを最大化するためには、人事制度を含め、雇用システムの変更が急務となります。2つ目は長時間労働を含めたワークライフバランスの対応です。さらに国内では、正社員の雇用を守るために非正規社員が急拡大しています。非正規の増加は、賃金が安いために結婚する人が大幅に減り、年齢を重ねてもスキルを磨きにくく、年収増が見込めません。手厚い高齢者向けの社会保障給付を削減して、非正規労働者ら現役世代に回すべきです。

(2017年4月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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