昼寝の意義

 昼食後などに眠気を感じる人は多く、そんな時に短い仮眠を取ると、頭がすっきりして仕事や勉強がはかどります。朝からの活動で脳に疲労物質が蓄積して機能低下したり、通常の生活リズムでは午後24時ごろに眠気のピークを迎えます。眠気を取りさって、脳の疲労を回復するには、昼寝をするのが効果的です。
 睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と脳を休めるノンレム睡眠があります。ノンレム睡眠はステージ1(入眠期)、ステージ2(軽睡眠期)、ステージ3(深睡眠期)の3段階に分かれます。ステージ1で目覚めると、眠気は取れるが脳の疲労は回復しません。脳の疲労を回復させるにはステージ23に到達する必要があります。しかし、ステージ3まで進むと寝起きが悪くなり、頭がうまく働かない状態が続くことがあります。そのため昼寝は2030分程度にとどめ、ステージ3に入る前に目覚めることが重要です。短い昼寝は夜の睡眠にも好い影響を与えます。朝から仕事や勉強を続けると、脳が興奮したまま夜を迎え、眠りに入りにくいことがあります。昼寝で脳を休めると、自律神経が安定し、入眠しやすくなります。
 私も事務所にいる時は、昼寝を2030分取ります。すぐに入眠し、自然に目が覚めます。夜の睡眠も入眠が速く、どんなに遅く寝ても45時間で目が覚めてしまいます。ソファーなどに横たわると深い眠りに入るといけないので注意すべきであるとされていますが、慣れれば20分前後で目が覚めるようになりますので、横たわって昼寝ができるような状況ならばソファーを使用することをおすすめします。

(2017年11月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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