月経前症候群とは

 女性は月経周期に関連して、少なからず心身の違和感を経験します。特に排卵後の黄体期には、下腹部痛、腰痛、乳房緊満感に加え、イライラする、憂鬱、涙もろくなる等の身体的・精神的症状が繰り返し出現します。集中力・意欲の低下や作業能率の低下、人間関係の悪化といった社会的行動上の変化も生じます。これら症状は月経が始まると、種々の心身の不調は直ってしまいます。この周期性を持った女性特有の不定愁訴症状を月経前症候群(PMS)と呼びます。
 その最重症型が月経前不快気分障害(PMDD)です。精神症状を主とする重症型であり、治療に苦慮します。日本が目指す女性活躍を推進するためにも、PMS / PMDDに対する理解を深め、その予防も視野に入れた支援や健康教育プログラムの構築が必要となります。PMSは思春期に発症することが多く、学校現場での教育が大切です。わが国では、10%前後の思春期の女性が苦しんでいます。

(2017年2月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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