東京における転入超過

都内の人口は5月1日現在、1,400万人を突破しました。1,300万人突破の2009年4月1日から11年1カ月で大台を超えたことになります。2009年~2019年の11年間の増加要因をみると、増加した97万人中72万人が都外からの流入です。転入から転出を差し引いた社会増が東京の人口増を支えています。
東京の2019年の合計特殊出生率は1.15と全国最低です。しかし、都外からの流入数は増加傾向にあり、2019年は約8万5千人と1963年以来の水準に達しています。1963年は1964年東京五輪を直前に控えた高度成長期でした。日本全体で人口が増えていた当時と現在では時代背景が大きく異なっており、近年の人口増は際立っています。
しかし、東京都の人口予測によれば、都内の人口は、2025年の1,422万人をピークに減少に転じるとされています。2035年には1,400万人を割る見通しです。増加の主因だった都外からの流入が、地方の少子化で減るとみられています。都内人口の最盛期になる1,400万人時代は、15年で終わると考えられています。

(2020年7月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。