東南アジアの高齢化

東南アジアでは、特にシンガポール、タイ、ベトナムで、高齢化が急速に進んでいます。国連のデータによれば、昨年の時点で人口に占める65歳以上の割合は、シンガポールが13.4%、タイが13.0%、ベトナムが7.9%と続いています。これらの国は、経済が発展途上のまま対応が迫られることになります。
30年後の2050年には、シンガポールで33.3%、タイで29.6%となり、超高齢社会に突入すると見込まれています。ベトナムでも20.4%に上昇すると予想されています。高齢化率が7%を超えてから14%に達するまでの所要年数を示す倍加年数は、日本が24年間だったのに対して、ベトナムでは18年間、タイでは20年間などとなっています。

高齢化の第一の要因は、医療水準が向上して平均寿命が伸びています。また、少子化とも密接に関係しています。これらの国では、1960年代以降に人口爆発を抑えて生活水準を向上させるため、国民に出産を控えるよう求める動きがありました。中国で一人っ子政策が導入されたのと似たような事情です。
東南アジアは、国際的な企業の工場が集積する地域です。高齢化が進んでいくのに伴い、良質な労働力をいかに確保するかが大きな課題となってきます。東南アジアの高齢化に関するビジネスでは、デジタル技術の活用が一つのカギを握るとみられています。

 

(2021年9月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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