栄養格差

 新潟県立大学の調査によれば、低所得層の子どもはそうでない子に比べ、成長に欠かせないタンパク質や鉄の摂取量が少ないなど、栄養面の格差があることが分かりました。調査は詳細な食事記録を分析し、貧困世帯の子どもが不健康に陥るメカニズムの一部を栄養面から解明しています。子どもの不健康は栄養の偏りに加え、親のネグレクトや長時間労働に伴う孤食など、多くの要因が絡み合って起きます。
 年収が下位3分の1となったグループの子どもは、週末、野菜の摂取量が1日平均166gと、年収が中位3分の1176gに比べ5.7%少なかったが、平日はこの差が1.2%に縮小しています。魚貝類も、週末は下位層43g、中位層48gと摂取量に差が出ましたが、平日はともに50gで格差がなくなっています。栄養素別では、タンパク質や鉄の摂取量に週末約56%の差がついています。格差は主に給食のない週末に生まれ、栄養格差解消は給食頼みであることが示されました。

(2017年8月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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