欧米各国のワクチン接種状況

欧州でのコロナワクチン接種開始に当たり、ワクチンの保管方法も当初課題に挙げられていました。米ファイザーなどが開発したワクチンが、零下70度で保存する必要があるためです。しかし、各国は運搬・保管のための特別な冷凍庫を注文し準備はできていました。フランスでは一部で承認が遅れるなどしましたが、欧州全体では現在、十分な設備を確保したとみられ、大きな混乱はみられていません。
英国は、2月半ばまでに70歳以上の高齢者ら高リスクの1,500万人にワクチン接種を終え、9月までに全ての成人への接種を目指しています。既に80歳以上の過半数が、ワクチン接種を終えました。接種場所も、イングランドだけで病院250カ所や診療所1千カ所のほか、薬局の一部にも広げています。保健当局は、週7日24時間接種を試行すると表明しています。接種する人員を確保するため、一部では医療資格を持たないボランティアが訓練を受けてワクチン投与に加わっています。
フランスは出遅れています。当初、介護施設に入所する75歳以上の高齢者から接種を開始しましたが、対象者が各地に分散したため接種数が伸び悩みました。意思確認が難しかったケースもあり、国民にワクチン不信が根強かったため、施設入所者に医師の事前問診を義務付けたことも影響しています。政府は、対象者を医療従事者や消防士、施設に入らないお年寄りらに拡大し、数を増やす戦略に転じています。

(2021年1月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。