正規社員の増加

 正社員の数が8年ぶりに増加に転じました。総務省の2015年の労働力調査によれば、正社員数は前年比26万人増の3304万人になりました。新たに働き始める女性や高齢者が増えたほか、パートやアルバイトから正社員に職種転換する例も目立ちます。雇用者数は5284万人と同44万人増えました。増加数の内訳は正社員が26万人、非正規社員が18万人であり、増加数で正社員が非正規社員を上回るのは21年ぶりだそうです。
 雇用は改善してきましたが、賃金や消費への波及は依然鈍いままです。2人以上の世帯の実質消費支出は、前年比2.3%減でした。雇用改善が消費に結びついていないのは、賃上げする企業が増えてきたにもかかわらず、15年の実質賃金は前年比0.9%減にとどまっていることによります。こうした雇用の改善が、少子化対策に直結するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

(2016年2月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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