死亡数の減少

厚生労働省の人口動態統計によれば、2020年の死亡数は前年比0.7%減の138万4,544人で2011年ぶりに減少しています。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた人々の行動の変化が影響しています。死亡数の減少は、手洗いやマスクの着用など新型コロナの予防対策が貢献した可能性があります。2020年1~9月はインフルエンザや肺炎などの呼吸器系疾患の死亡者が減っています。

日本の昨年の全死亡数は約138万人で、前年より9,373人減少しました。死因別では、昨年1~9月、肺炎死が前年同期より1万2,456人減の5万8,822人でした。インフルエンザは同2,314人減、心疾患は同4,573人減などと軒並み減少しています。マスク着用や手指消毒の徹底で、感染症全般が減ったと考えられています。感染症の減少は、脳出血疾患や心疾患による死亡数の減少にもつながっています。

日本の死亡数減少は、欧米と比べても際立っています。米国では49万人、ロシアで35万人、英国で11万人の超過死亡が出ています。欧米でもインフルエンザ患者は大きく減っていますが、新型コロナの感染爆発がそれに増して死亡数を増加させています。一方、日本は超過死亡でも、マイナス2万1,000人と逆転し、死亡数が減少しています。フィリピンでもマイナス2万2,000人、台湾は同5,600人など東アジアで超過死亡が少なくなっています。

(2021年2月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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