死亡者数の減少

厚生労働省の人口動態統計によれば、2020年1~10月の日本の死亡数は、前年同期より1万4千人少ないことが分かりました。新型コロナウイルス対策により、他の感染症の死亡が激減した影響とみられます。11月以降に新型コロナによる死亡数が急増しているものの、年末までの死者は千数百人となる見通しのため、11年ぶりに国内の死亡数は、前年を下回る可能性があります。
肺炎やインフルエンザを含む呼吸器系の疾患で比較しても、計1万2,872人減少しています。呼吸器系の疾患には、細菌やウイルスなどの感染症が多く含まれます。手洗いやマスク着用などのコロナ対策の効果で、他の感染症患者が激減している影響とみられます。今年はインフルエンザも流行していません。
感染症以外では循環器系の疾患が、7,913人で3.8%減っています。内訳では、急性心筋梗塞など心疾患が4,962人で4.0%、脳梗塞など脳血管疾患が2,887人で4.6%減っています。いずれも救急医療が必要な疾患が多いのですが、感染拡大により一部で受け入れを縮小した影響は、少なかった可能性があります。外出自粛の影響から、交通事故など不慮の事故も1,631人で7.1%減っています。

(2020年12月28日 日本経済新聞)

 

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