母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)を受ける妊婦さんへ

 平成28年後半から一部の医療機関が日本医学会や日本産科婦人科学会の指針や通知を全く無視して日本医学会の認定を受けずに検査の提供を始めています。適切な遺伝カウンセリングを行わず、ただ英国の検査会社に血液を送りその結果を通知するだけということを行っています。その結果、「検査結果が陽性となっても別機関への受診を促すだけ。妊婦は不適切な施設で検査を受けたため妊婦健診を受けている施設に相談できない。どうしてよいか分からず困り果てている」や「検査結果が陰性でも結果の意味を説明されていないため他の検査を受けないでいいのか悩み、困り果てている」など、適切なカウンセリングが行われていないために妊婦が被害を被っている例を複数経験されております。困り果てているのに遺伝カウンセリング外来を受診できない妊婦もおり、妊婦の被害は少なくなく、検査に携わる医療者としてこの事態を看過することはできません。
 そのため、日本産科婦人科学会は、NIPTを受ける妊婦さんに対し、お知らせを826日に出しています。


(吉村 やすのり)

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