消防団員の減少

全国の消防団員は、1955年に200万人近くいましたが、1990年に100万人を割り込みました。2020年の団員数は、過去最少の約81万8千人です。若年層を中心に入団者数も落ち込み、2020年の団員数は前年比で約1万4千人減少しました。1万人以上減ったのは2年連続で危機的状況です。

背景には、地域社会と消防団とのつながりが薄れていることや、普段はサラリーマンとして働く人が増え、消防団活動との両立が難しい事情もあります。全団員に占める20~30代の割合は、1965年の88%から2020年は43%に半減し、高齢化も進んでいます。
対価の低さも背景の一つです。各市町村が条例で定める年額報酬は、2020年の一般団員の平均額で3万925円で、月額に換算して2,500円ほどです。昼夜を問わず、危険も伴う消火活動などに従事した際に支払われる出動手当は、1回当たり数千円に過ぎません。団員の献身的な取り組みに対し、手当が少ないことが問題です。総務省消防庁は、地域で消火活動や災害救助に当たる消防団員を確保するため、待遇改善に向けた検討を始めています。

(2021年1月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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