混合診療

 患者申し出療養制度とは、患者の求めに応じて、未承認の薬や医療機器を通常の保険診療と組み合わせて治療に活用できる制度です。制度開始から一年過ぎました。この制度は、保険適用の条件や保険適用に向けた臨床試験などの条件に合わない患者が対象となります。日本はこうした保険適用外と保険適用の治療を同時に行う混合診療は原則禁止でしたが、患者負担を軽減するため、例外として昨年4月に始まりました。
 これまでも混合診療は、先進医療として厚生労働省が一定の有効性と安全性を認めた治療法で容認していました。こうした混合診療を受けられる病院は未承認薬ならば全国で100カ所程度でしたが、新たな制度では抗がん剤ならば400カ所に増え、身近な病院でも治療を受けられるようになりました。しかし、承認は、大阪大学病院の補助人工心臓のほか、東京大学病院の胃がんの腹膜への転移に対する新たな抗がん剤治療など申請のあった4件のみです。保険適用外の負担が高額なことが壁になっています。

 

(2017年5月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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