滑舌をよくするために

 滑舌とは、主に舌がスムーズに動くことをいいます。そのためには、唇周辺の筋肉が大いに関係しています。滑舌が悪くなる原因はいくつかあります。一つは唾液の分泌の減少です。舌は唾液を潤滑油にして動きます。緊張したり、ストレスがあったりすると、唾液が減少して口が渇き、舌を動かしづらくなります。舌や口周辺の筋力の低下も原因の一つです。特に高齢者は加齢に伴い筋力が低下します。軟らかいものを多く食べたり、人と話さなくなったりすることで、筋力がさらに衰えます。滑舌の悪さは、脳血管障害など、病気が原因のこともあります。
 滑舌をよくするには、話したり、歌ったりして、口や舌を使うことが大切です。話すことによって、筋肉を使い続けることが、滑舌を維持するのに大切です。噛みごたえのある食事を心掛けることも必要です。口の機能が低下すると、食事に影響し、身体機能の低下にもつながります。歯並びも大切です。歯が抜けていたりすると、噛みづらくなって、軟らかいものを食べがちになります。口周辺を動かす機会が減って、舌などがうまく動かなくなります。

(2017年3月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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