災害時における周産期管理

 日本産科婦人科学会は、大規模な災害が起きた際、被災した医療機関から安全な機関への妊産婦や新生児の受け入れをスムーズに進めるための情報を共有するシステムを作りました。日本産科婦人科学会のシステムに登録されているのは、産婦人科などがある全国約2,400施設です。震度6強の地震や津波、広域水害といった災害が発生した際、被災地やその周辺の産婦人科を持つ医療機関に情報入力を呼びかけます。各機関は分娩や帝王切開、外来診療が可能かどうかを入力します。妊産婦や新生児の受け入れが可能な医療機関はベッド数などの情報も記入します。
 入力結果は地図上に表示され、被災地で活動する医師らがそれを見ながら、被災した医療機関にいる妊産婦や新生児の搬送先を検討します。情報は被災した医療機関にも役立てます。施設の損壊の状況や、電気や水道といったライフラインが使えるかどうかなども入力します。学会は、システムが機能すれば都道府県の枠を超えた広域搬送が円滑に進むと考えています。

(2017年6月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。