熱中症の増加

総務省消防庁の調査によれば、7月29日から8月4日の1週間に、熱中症の疑いで救急搬送された人は全国で1万8,347人にも達しています。前の週の3.2倍にのぼり、亡くなった人も11人から57人に急増しました。梅雨明け後の急な気温上昇に体が慣れていないことが影響しています。人は汗をかくことで体の熱を外に逃しています。しかし、高い気温や湿度のために体に熱がこもり、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気などの症状が出ます。重症化すると、痙攣が起きたり意識がなくなったりすることもあります。
水分や塩分をこまめにとり、屋外では直射日光を避け、日傘や帽子も使うことが必要となります。暑さを意識し、危険を感じたら運動や作業を中止すべきです。屋外だけでなく屋内でも熱中症になるので、エアコンを使って涼しい環境を保つことが大切です。屋外ならまず、涼しい場所に移動します。濡れタオルを頭にあてたり、冷たいペットボトルを脇の下に入れたりして体を冷やします。しばらくしても様子が良くならず、自分でもペットボトルを手に持って水を飲めないほどの場合は、医療機関を受診させるべきです。汗をかきにくくなっているお年寄りは、体温調節が難しく重症化しやすい状況にあります。子どもも汗を出す機能が未発達で、身長が低く地面からの照り返しを受けやすいため、注意が必要です。

 

(2019年8月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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