独り暮らしの高齢者

 国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、2015年度の独り暮らし高齢者は、全国で592万人にも達しています。今後も増え続け、2025年度には700万人を突破すると予測されています。独り暮らしの高齢者の数と割合の増加により、自宅で孤独死する高齢者が増加しています。東京都によれば、23区内では2015年に3,127人と、10年間で1.7倍に増えています。
 孤独死はかつて集団住宅で多かったのですが、近年は一軒家でも目立つようになりました。早期に発見されても、故人に身寄りがないと判断されるまでは、土地・家屋を行政が処分することはできないことが起こります。空き家の増加につながり、長い目で見れば地域が衰退する原因にもなります。平均寿命や家族のあり方、死生観の大きな変化に、行政も市民も対応できていません。

(2017年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。