生涯未婚率の増加

女性の50歳時未婚率である(生涯未婚率)は、2020年で17.8%です。今後もまだ上昇すると推計されています。結婚するもしないも、子どもを持つも持たないも個人の自由です。性別役割分担などの課題が残る中、人生を自由に選択するのは難しい状況にあります。非婚就業女性が増えていますが、社会に希望が持てずに結婚しない女性が多くなっています。
国立社会保障・人口問題研究所の2021年の出生動向基本調査によれば、独身女性が予想する自らのライフコースは、結婚せずに仕事を続ける非婚就業コースが33.3%で最多になっています。理想とするライフコースは、結婚・出産後も夫婦ともにキャリアを築く両立コースが34.0%でトップです。理想と実際になりそうなコースにはギャップがあります。
原因の一つは、キャリアか生活かの二者択一を迫る働き方の問題です。結婚すれば家庭で家事・育児の責任を負うことになります。一方、職場では女性活躍が叫ばれ、男性並みの貢献を求められます。家庭と職場でフル稼働できる女性は多くはありません。ただでさえ出会いが減少している中、決めかねているうちに機会を逸することになります。

(2022年12月22日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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