生理の貧困解消のための税の撤廃

高インフレ下の米国で、経済的な理由で生理用品を買えない生理の貧困(period poverty)の解決を目指し、消費税の撤廃に向けた動きがニューヨーク中心に広がっています。最高裁が中絶を憲法上の権利と見なす判断を覆したことで、女性の怒りに火がつき、機運がより一層高まっています。米薬局大手も、生理用品の値下げや消費税支払いの肩代わりをする方針を示しています。米薬局大手のCVSヘルスは、自社ブランド生理用品の値段を25%引き下げるとしています。
ニューヨーク州では、2016年に生理用品の課税に反対した集団訴訟に勝訴して以来、生理用品の消費税が撤廃され、学校や刑務所などの公共施設で無償提供が義務付けられるようになりました。直近ではコロラドやネブラスカなど4州で生理用品に対する課税を撤廃する法が既に発効しています。
新型コロナウイルスのパンデミックに伴う離職や収入減といった経済的な困難に陥ったのが理由で、生理用品が買えなくなった人も増えています。公共施設での無償提供が義務化されたとしても、安全性の確保が重要になります。仮に粗悪品が無償で提供されるようなことがあれば、利用する人の健康を害してしまう恐れがあります。生理の貧困を解消しようという社会全体の問題意識はかつてなく共感を呼んでいます。

(2022年12月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。