男性の家事・育児支援

0~1歳の子がいる3千世帯を対象にしたベネッセと東京大学の調査によれば、平日の子育て時間は、母親の7割が10時間以上だったのに対し、父親は2時間未満が7割を占めています。海外との比較においても、日本では他の国と比べて母親に負担が偏っていることが明らかになっています。日本では、会社に長くいる人が評価され、男性の育児に理解のない上司も少なくありません。夫に関わってほしいけど無理という諦めから、家事や育児を引き受けている女性も少なくありません。
若い世代であっても、わが国には性別役割分担意識が根強く残っています。子どもの小さいうちから育児しないと、どんどん関わりづらくなってきます。家事や子育ての得意不得意は、性差より個人差が大きいと思われます。母親がやるべきだという価値観に追い詰められる人もいます。育児を大変なことと感ずるのではなく、自ら楽しむべきです。3歳まで母親が子育てに専念するべきだという3歳児神話は、現在否定されています。20年前の厚生白書でも、歴史的に見て普遍的なものでもないし、たいていの育児は父親によっても遂行可能とされています。

(2018年7月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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