男性の育休取得

国家公務員に限れば、2018年度は21.6%の男性が育児休業を取っています。全体では6.2%で、2010年度の1.4%に比べると大幅に増えています。しかし、5日未満が36.3%で、2週間未満のケースが全体の7割を超えています。女性の育休取得率が8割を超えているのに比べるとまだ低率です。
育休を希望しながら取らなかった男性の理由として、人手不足や取得しづらい雰囲気を挙げる人が、3~4割と上位を占めています。長時間労働がなかなか減らないなど、職場環境にも原因があります。内閣府の2016年度の調査によれば、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだという考え方に賛成する人が約4割を占めています。育児は母親がすべきといった固定観念も根強いものがあります。男性が子育てにあまり関わらない背景には、こうした性別役割分担意識が関係しています。
6歳未満の子どもがいる共働きの男性の場合、育児時間は1日あたり47分で、女性の167分に比べると男性は3分の1にも満たない状況です。厚生労働省が育児に積極的な男性をイクメンと位置づけて、プロジェクトを発足させたのが2010年です。男性の子育てが日常になり、イクメンという言葉が使われなくなるのが理想です。

 

(2019年10月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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