男性の育児休業取得を進めるためには

政府は2016年に、ニッポン一億総活躍プランを発表、子育てや介護の環境整備の強化を打ち出しました。女性活躍の掛け声とともに、男も育休をのムードはかつてなく高まっています。2018年度の男性の育休取得率は6.16%で、2005年度の0.5%からは進歩しています。しかし、家事・育児への男性の日常的な関わりはまだ十分とはいえません。6歳未満の子がいる夫の家事・育児関連時間は2016年度で1日83分にとどまっています。5年前から増えたのは16分に過ぎません。
かつては育休が取れるのは限られた職場や仕事でしたが、今では、ごく普通の職場の人が取れそうだと思えるようになってきました。これには、職場で男性が育休を取る環境が十分ではない時代から、職場で非難されながらも頑張って取得してきた人たちがいたことは忘れてはなりません。育休は、例え1週間でも意味があると思います。育児の大変さを体験するから、パートナーへの理解につながります。子どもとの関係でも、自分でおむつを替え、夜泣きに付き合った経験は大きいものがあります。子育ては長く、育休はいわば点での関わりに過ぎないかもしれません。育休は、妻との人生にどう寄り添っていくかの出発点でもあります。
最近は育児のツールにも変化がみられています。男の人が使っても様になる抱っこひもやベビーカーが登場しています。また液体ミルクも利用することができるようになりました。災害時のみならず、夜泣きの時に使用することができ、男性にとっても容易にミルクを与えることが可能です。育児とは大変なものですが、その経験は喜びもあることを知ってほしいものです。

(2020年3月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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