病床の再編

病院の機能には、重症患者向けの高度急性期と急性期、リハビリなどを通じて在宅復帰を目指す回復期、長期の療養を目的とした慢性期があります。国は団塊の世代が75歳以上になる2025年を目標に、急性期の病床を減らし、高齢化で需要が増す回復期病床を手厚くする地域医療構想を進めています。構想の必要病床数をみると、急性期・高度急性期は2015年度に比べ約30%減らす必要があります。
厚生労働省の調査によれば、実態がないことが疑われる急性期病棟は全国に約3千棟、全体の14%に達するとされています。今は機能ごとの基準が厳密に定義づけられておらず、各病院の判断に委ねられています。同じような機能を担っていても、病院によって急性期と報告したり回復期と称したりと異なるケースがあります。病床数あたりの手術の実施数など、定量的な基準を導入して病床の機能を正確に把握し、基準を満たしていない病院は急性期などと報告できないようにします。各地域で実態に合った病床への再編を後押しし、効率的な医療体制の構築につなげます。

 

(2018年10月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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