相続の民法改正

高齢化が進む中、40年ぶりに相続に関する民法が改正されます。残された配偶者が住まいと生活資金に困らないよう、保護を手厚くします。配偶者が自身が亡くなるまで、今の住居に住める配偶者住居権が創設されます。しかし、対象を法律婚の夫婦に限定しています。
残された配偶者が今の家の所有権を持たずに住み続けられる権利や、遺産分割とは別に住居の贈与を受ける制度で預貯金など他の遺産の取り分を増やし、老後の生活資金を得やすくします。現行制度でも配偶者は住居の所有権を得ればそのまま住み続けられます。しかし、住まいを確保するために所有権を得ると、預貯金などの取り分が少なくなり、生活資金に困窮する可能性がありました。高齢化する配偶者にとっては、生活を保障する良い制度ですが、法律婚の夫婦に限定されたことは問題です。多様に変化する家族のあり方を尊重し、保護のあり方を考え直すことも大切です。

(2018年6月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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