相続の民法見直し

民法の相続の仕組みが約40年ぶりに見直されます。時代の変化に合わせ高齢社会に対応するのが狙いです。ポイントは大きく3つあります。1つ目は、残された高齢の配偶者の保護に重点を置いています。配偶者が自身が亡くなるまで今の住居に住める配偶者居住権を新たにつくります。働いて生活資金を得るのが難しい高齢の配偶者が、住まいを失わずに、生活資金も得やすくする仕組みです。
遺言がなく配偶者と子どもで遺産を分ける際、配偶者の取り分は2分の1になります。例えば、遺産が評価額2千万円の住居と預貯金3千万円だった場合、配偶者の取り分は2,500万円です。今の住居に住み続けるために所有権を得れば、預貯金の取り分は500万円となり、老後の生活に不安が残ってしまいます。改正案では、居住権は売却などの権利がないため所有権に比べ評価額が低く、その分、預貯金の取り分が増えます。居住権の評価額が1千万円なら、預貯金の取り分は1,500万円に増えることになります。
今回の改正の2つ目の柱は、生前に書く自筆証書遺言を公的機関である全国の法務局で保管できるようにすることです。法務局に預ければ、相続人が遺言があるかを調べやすくなります。これにより、遺言を巡るトラブルを防ぐことができます。3つ目のポイントは、亡くなった被相続人に対して生前、介護や看病で貢献した人に報いる制度を盛り込んでいます。被相続人の親族で相続の権利がない人でも、介護などの貢献分を相続人に金銭請求できるようにします。

 

(2018年3月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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