睡眠時無呼吸症候群

 いびきは、就寝中に鼻や口から気管へとつながる上気道の一部が狭まることで発生します。発生部位で最も頻度が高いのが、口の奥の軟口蓋と呼ばれる筋肉や口蓋垂です。これらが睡眠中に緩んで上気道を狭めるなどし、空気の流れで震動し、「ガー」や「ゴー」といった音が出ます。上気道の太さには個人差があり、もともと上気道が細い人はいびきをかきやすくなります。太ることによって喉の奥の内側や舌の付け根に脂肪が付くことでも上気道は狭くなります。
 上気道が完全に塞がった状態が断続的に起きるのが、睡眠時無呼吸症候群SAS)です。大人の場合、10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上、または一晩に30回以上あるとSASと診断されます。SASになると、夜中に目が覚めたり、体の中の酸素が少なくなったりして、自律神経やホルモン分泌に悪影響をもたらします。高血圧などの生活習慣病を引き起こしやすくなります。いびきを改善するには、ダイエットを心がけ、酒量を抑え、抱き枕を使うなどして横向きに寝るなどの対策が考えられています。

 

(2017年4月13日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。