石炭火力発電の減少

世界では「脱石炭」が鮮明となっています。グローバル・エナジー・モニターの調査によれば、中国以外では石炭火力の廃止が新規稼働を上回り、発電能力は約1,700万キロワット減少しています。米国は新規がゼロだったのに対し、廃止は1,130万キロワットに達しています。英国は2025年までの石炭火力の全廃を目指しており、2020年も大幅に減らしています。
日本は新規稼働が上回っています。政府は、2030年度に非効率な石炭火力を段階的に休廃止する方針を表明しましたが、裏を返せば、高効率な設備は使い続けていくことを意味します。一方、石炭火力発電を減らす国が増えるなか、中国では新設が続いています。2020年は原子力発電所30基分が増えています。再生可能エネルギーだけでは電力需要をまかない切れないためです。
アジアも中国と同様、経済成長を実現するために安定した電力として石炭火力を使い続けている国が少なくありません。インドやベトナム、インドネシアなども、2020年は新設が廃止を上回っています。再生エネルギーは発電量が安定しにくく、増え続ける電力需要に応えるためにも、国内でも産出する石炭の活用は不可欠だとの判断です。

 

(2021年3月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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