研究の質を高めるためには

日本の研究開発投資は、2015年に約18兆円です。これはドイツの11兆円、英国の4.7兆円よりも多くなっています。しかし引用される回数が上位10%の質の高い論文数は、ドイツ約7,900本、フランス約5,000本、英国約8,500本と、日本の約4,200本を上回っています。論文数など様々な指標でも、低迷が続く日本と違って上昇傾向にあります。
ドイツやフランス、英国の欧州3カ国は研究投資は日本より少ないのですが、革新的なタネとなる学術論文の数や影響力は上回る分野が多くなっています。その理由は強みを分析し、ヒトやカネをつぎ込む戦略的な選択と集中で、研究現場に活気をもたらしています。日本政府も科学技術予算の選択と集中を進めるべきです。厳しい財政状況から全体の予算が削減され、大学の研究力を弱めてしまっている中で、国際水準の研究を進めるために強みを分析することが必要です。

(2018年4月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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