私立大学向け補助金

 私立大学は、国から教育や研究の支援や、在学生の経済負担の軽減などを目的とした補助金を受けています。これを私立大学等経常費補助といいます。1970年度から2016年度までの交付額は、約12兆円に達しています。補助金は教職員の給与や教育・研究の経費を対象とする一般補助と特定の分野での教育・研究を進める特別補助の2枠があります。私大の数は1990年代から増加しています。入学定員は、2016年は1989年と比べ1.6倍超になってきています。一方、少子高齢化で18歳人口は減少し、2016年は119万人と1989年から4割減っています。定員割れに陥る私大が急増しています。定員の充足率が8割未満の私大は全体の2割に達しています。
 財務省は定員割れの続く私立大学について、国からの補助金の減額・停止を検討し始めています。補助金を受け取る私大のうち、40%は5年連続で定員割れに陥っています。2018年度から補助金を配る要件を厳しくし、定員割れが続く大学への配分を減らすことにしています。定員割れが数年続いたり、経営状況の改善がなかったりした場合、補助金の打ち切りも検討しています。学術論文の数などから教育の質を客観的に評価する新指標も取り入れ、評価の高い大学には補助金の配分を増やすことにしています。

 

(2017年8月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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