第3期がん対策推進基本計画

 第3期がん対策推進基本計画は、2017年度から6年間の数値目標や重点課題を掲げたもので、2012年以来5年ぶりに見直されました。予防、医療の充実、がんとの共生が3本柱となっています。患者が少ない希少がんや治りにくい難治性がん対策の他、AYA世代(思春期・若年成人)や小児、高齢者など世代別の支援にも、きめ細かく目配りされています。受動喫煙対策は、2020年度までに飲食店や職場、家庭などでゼロにすることを目指すべきだとされました。

 

 がん予防は、がんにならない1次予防と早期発見・早期治療の2次予防に分けられます。1次予防はたばこ対策が柱となり、2次予防では、伸び悩む検診受診率の向上が主眼となります。検診受診率の低迷は、75歳未満のがん死亡率を2005年から10年間で20%減としていた第2期計画の目標を達成できなかった一因とされます。厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、検診受診率は、男性は40%台、女性は30%台で、第2期計画で掲げた目標の50%に届いていません。今後は、禁煙・生活習慣を改善することによりリスク因子を排除し、予防に努めると同時にがん検診率を向上させることが大切となります。

 

(2017年6月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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