第69回日本産科婦人科学会学術講演会 特別講演会

 長崎大学病院病院長増﨑英明教授による特別講演「胎児―この未知なるもの―」の司会をさせていただきました。

 

 “母にとっての胎児は半異物である。母はその半異物を子宮に受け入れなければならない。母と父になる以前、ふたりはただの女と男であった。つまり遺伝的に他人であった。ところが、女は妊娠すると子宮に宿った胎児とDNAを交換する。そのDNAの半分は男のものである。他人であった男のDNAが、胎児を介して女の中に注入される。女は男からDNAを受け取る。そうして他人のDNAを受け入れた「女」は「母」になる。母は父という異物をも受け入れる。だが、このような家族間の現象の存在を知る以前から、人は「子はかすがい」といった。胎児は母の中に住む父の断片であるということに気がついて、偉大なる寛容の母、その優しさの源泉は子宮という「密室」にあると知るのである。”(講演の抄録より抜粋)

 

産婦人科医40年の集合成の素晴らしい講演でした。

(吉村 やすのり) 

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