終末期患者の救急対応

 日本臨床救急医学会は、自宅などで最期を迎えようとしている終末期の患者に対する救急隊員の対応について提言を発表しました。心肺停止後の蘇生処置を望まないと事前に書面で残している場合、かかりつけ医に是非を直接確認した上で、蘇生処置を中止するよう求めています。救急隊員による蘇生処置の中止を巡っては、これまで国から判断基準が示されておらず、各地域の消防本部がそれぞれ独自の運用を続けています。
 提言によると、患者が心肺蘇生を希望していない場合、家族は「119番通報をしないのが望ましい」としています。現場に駆けつけた救急隊員は、家族などから蘇生処置を希望していないとの書面を受けたとしても、心肺蘇生を始めるべきだとしていますが、かかりつけ医と連絡をとり、中止を指示されれば、患者本人の意思を尊重して心肺蘇生を中止できるとしています。

(2017年4月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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