結婚しない男性

 未婚のまま一人暮らしをする中年男性が増えてきています。2015年現在、50歳時点で未婚である生涯未婚率は、22.8%であり、実に4.4人に1人が生涯未婚です。50歳代の単身世帯数は、2030年に2015年実績の1.4倍の水準に高まる見込みです。なかでも50歳代の単身世帯男性は、2015年時点で141万人と同女性の約1.7倍の多さです。2030年には181万人に達すると推計されます。1人暮らしの中年男性が増えた背景の一つは、結婚しない男性の増加です。生涯未婚率は上昇基調にあり、中年男性単身者の増加傾向は、今後も変わりそうにありません。
 中年男性の1人暮らしは、不摂生を続けた結果、長期の療養が必要な重い病気になり、休職につながることもあります。現役世代は自助が求められるため、社会的支援が最も届いていない世代です。未婚男性の場合は子どもによる介護の手当・フォローは期待できません。さらに老親に介護が必要になった時にどう支えるかも大きな問題です。50歳代の親は75歳以上の後期高齢者にあたります。親の介護が必要になった時、職場で管理職を務め仕事との両立が難しいと、介護離職せざるを得なくなります。単身者は特に退職すると孤立リスクが高まってしまいます。

(2017年9月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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