肺がんの治療

肺がんの初期は症状があまりなく、約半数は手術が難しい段階で見つかります。年間に11万人以上が罹り、がんの死亡原因では最も多く、約7万4,000人が亡くなります。肺がんは、小細胞がん、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんの4タイプがあります。標準的な手術は、がんがある肺葉の切除です。早期がんでは、さらに狭い区域などを切除する縮小手術もあり、内視鏡(胸腔鏡)もよく使われます。
手術が難しい場合などは、放射線が治療の柱になります。正常な組織への影響を減らすため、がんだけに的を絞って照射する方法(定位照射)が行われます。薬物治療は従来の抗がん剤に加え、がんの遺伝子変異に応じて使う分子標的治療薬や、オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬が登場しています。薬の選択肢が増え、がんが進行した患者でも長期生存が可能になってきています。ゲノム診療や免疫療法といった最先端の手法がいち早く取り入れられ、新しい薬の開発も盛んです。

(2018年12月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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