胃食道逆流症

胃食道逆流症とは、胃液など胃の内容物が食道に逆流することで起きる病気の総称です。よく知られている逆流性食道炎も含めて、近年、日本人に急速に増えています。健康な人の体内でも、ある程度の逆流は日々起きています。しかし頻繁に繰り返されると、胃液の中の酸性度が非常に強い胃酸により、胸焼けが起こります。胸焼けは胸骨の後ろに感じる灼熱感やムカムカ感、呑酸は喉や口の中に酸っぱいものがせり上がってくる症状です。



胃食道逆流症は食道粘膜がただれてできるびらんの有無で2種類に分かれます。胃酸が食道の粘膜を傷つけて炎症が起き、内視鏡でびらんが見えると逆流性食道炎です。びらんが見られないのに、胸焼けなどの不快症状が強いのが非びらん性胃食道逆流症です。逆流が起きる原因の1つは、胃と食道の境目にあって、胃の内容物が食道に逆流するのを防ぐ下部食道括約筋の機能低下です。

予防するためには、暴飲暴食を避けるべきです高脂肪食の摂取を控えることです。脂っこい食事をすると、括約筋を緩めるコレキストキニンというホルモンが分泌されます。食後すぐに横になるのも避けましょう。消化のために胃酸が多く分泌されるうえ、寝た姿勢だと重力が働かず逆流しやすくなります。腹部をベルトやガードルで締め付けすぎるのもよくありません。肥満、とりわけ内臓脂肪が蓄積する肥満は、逆流の原因になるので、減量を心掛けることが大事です。

(2018年4月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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