脳死による臓器移植

 脳死による臓器移植を認めた臓器移植法が、今年10月で施行20年を迎えます。日本臓器移植ネットワークによれば、法施行から824日までに471人の脳死での臓器提供がありました。昨年1年間では64人からの提供です。2010年からは15歳未満の子どもからの提供も認められ、15人から提供されています。移植手術を希望してから手術を受けるまでの期間が長期化しています。移植ネットによると、昨年3月末までに国内で心臓移植を受けた患者の平均待機日数は約211カ月、肺は約25カ月もかかっています。
 脳死の臓器提供候補が出た際の対応への人的、資金的な支援がともに乏しく、過半数で脳死での臓器提供ができない状況にあります。小児の臓器は、小児に優先的に提供する取り決めができています。しかし、小児からの臓器提供は非常に少ないのが現状です。肺移植であれば、子どもの肺は子どもに提供するのが一番良いとされています。子どもの肺を移植すれば、成長とともに肺も大きくなり、再移植する必要性も少なくなります。

(2017年8月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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